2011 Fiscal Year Annual Research Report
透明なゼブラフィッシュ脳を用いた右脳・左脳神経活動の発達様式
Project/Area Number |
21700370
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
相澤 秀紀 独立行政法人理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 客員主管研究員 (80391837)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 左右非対称 / 手綱核 / 電気穿孔法 / GFP / 光学的測定 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、左右脳半球間で異なった神経回路を形成する発達中の手綱核からの光学的測定データを解析した。これまでに測定したゼブラフィッシュ稚魚手綱核における細胞内カルシウム濃度変化を細胞ごとに相関解析により解析したところ同期して発火する細胞組を同定することができ、これまでに確立した神経活動測定法の有効性が明らかとなった。 また、これまでに明らかとなった左右非対称なゼブラフィッシュ手綱核の発達機構及びその神経活動異常が動物行動に与える影響についてまとめDevelopmental Neurobiology誌、Clinical Neuroscience誌、Frontiers in Neuroscience誌に発表した。これらの論文では、1)ゼブラフィッシュなど遺伝学的アプローチ可能なモデル動物の研究により、これまで未解明であった脳の非対称形成機構が明らかになってきた事、2)哺乳類手綱核は内側手綱核及び外側手綱核という神経伝達物質や神経結合の全く異なった領域に分けられるが、これらの神経回路は脳の進化を超えて魚類から哺乳動物まで保存されている事、3)左右非対称を示す部位は内側手綱核に相当する領域である事、4)手綱核神経回路の主な投射標的である脚間核の出力が縫線核や中心灰白質など動物適応行動制御を担う領域であった事などを議論した。
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Research Products
(4 results)