2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮質多領域における高次認知機能の解明とブレインマシンインターフェイスへの応用
Project/Area Number |
21700375
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
CHAO Zenas The Institute of Physical and Chemical Research, 適応知性研究チーム, 研究員 (30532113)
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Keywords | ブレインマシンインターフェイス / 皮質電図 / デコード / 認知 / サル / 長期 / 意思決定 / 計画 |
Research Abstract |
本プロジェクトの目的は、サルへの皮質電図(ECoG)を用いて意思決定や計画、これらの統合の際に発生する高レベル脳信号をデコードすることである。平成21年には、ECoGをベースとした新しいシステムを構築し、ECoG信号は、高次意図的運動において豊富なの情報を保有している事を示した。ECoGベースのデコーダーは、すでに在る単一神経細胞活動をベースとしたシステムに匹敵し、さらに安定性と耐久性においては、何ヶ月にも渡って保たれる事から、ECoGの方が遥かにに優れていることを、初めて示した。この高い正確性と安定性は、時間-頻度-空間を併せた複数の皮質領域に渡る活動と、忠実度の低いECoGシグナルの補償を合わせ持つことにより実現された。 デコードモデルは、神経活動の空間と時間の統合について示し、この知見により、脳がどのように感覚情報や運動指令のエンコードを処理し、認知機能がどのようにこれらの調整を担うかを明らかにした。 この新しい手技は、運動制御や感覚認知、高レベル認知処理といった皮質に関連の研究に、より安定したプラットフォームを提供する。また、このデコードのパラダイムをリアルタイム・ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)に履行し、サルがデコードされた変数を通して、4輪自動車を運転する事が可能となった。 この結果から、主に視覚から形成される感覚フィードバックや、報酬や罰から形成される強化特性が、どのように回路を制御しているかを明らかにする事ができる。加えて、適応や学習のメカニズムや、高レベル認知信号と低レベル感覚信号および運動信号の解離についても解明できるであろう。
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Research Products
(5 results)