2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規小胞体ストレス応答因子MANFによる神経細胞保護機構の解析
Project/Area Number |
21700403
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大橋 憲太郎 Gifu University, 工学部, 助教 (50332953)
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Keywords | 神経栄養因子 / MANF / 神経変性疾患 / 小胞体ストレス / ATF6 |
Research Abstract |
今年度は、新規神経栄養因子mesencephalic astrocyte-derived neurotrophic factor (MANF)の生理機能の解析を目的として、1) マウスMANFタンパク質の大量調製系の確立、2) MANFによるシグナル伝達機構の効率的な解析のためのMANF応答細胞株の探索、3) 2つのマウスMANFスプライシングバリアントの細胞内挙動の比較検討を行った。 (1) においては、はじめにMANFのC末端にHisタグを付加したコンストラクトを作製し、大腸菌へ遺伝子導入することにより調製を試みた。しかし、そのほとんどが不溶性画分にみられ可溶化は出来なかった。そこで、HEK293細胞などを用いて恒常的にMANFを発現する細胞株の樹立を試みた。G418によるセレクションにより、糖鎖修飾を受けたマウスMANFを培養液中へ恒常的に分泌する細胞株の樹立した。今後この細胞株由来の培地をもととしてマウスMANFタンパク質を大量に調製する予定である。 (2) においては、当研究室でクローニング済みの各マウスMANFタンパク質を、種々の細胞株(Neuro2a, Hela, HEK293, U2OS細胞など)に一過的または恒常的に発現させた。そして、小胞体ストレスをはじめとする種々の刺激をあたえた後に、細胞生存率・増殖、形態変化について解析を行った。しかしながら、いずれの細胞株においても上記項目に対してMANF高発現の効果は見られなかった。 (3) においては、作製した各マウスMANF恒常的高発現細胞株を用いて、2つのマウスMANFスプライシングバリアントの細胞内挙動を比較検討した。その結果、両者では細胞内の安定性、分泌が著しく異なることが明らかとなった。 これまでのところ、MANFの生理機能を効率的に解析する有効な条件が見つかっていない。今後大量調製したMANFタンパク質を用いて細胞応答の解析を進めるとともに、MANF受容体などの探索することが生理機能の解明につながるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)