2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規統合失調症候補遺伝子産物CHRNA7の機能解析
Project/Area Number |
21700415
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
澤村 直哉 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (40449351)
|
Keywords | 精神・神経疾患の病態と治療 / 分子・細胞・神経生物学 |
Research Abstract |
本研究では、新規統合失調症候補遺伝子産物であるCHRNA7タンパクの解析から統合失調症発症の分子メカニズムに迫るというアプローチで研究を進めている。具体的には、CHRNA7結合タンパクの同定を行い、CHRNA7の機能を明らかにすることによって、統合失調症発症の病態メカニズムの解明を目指す。 本年度はCHRNA7結合タンパクとしてかねてからCHRNA7のリガンドとして知られているアミロイドβタンパクに着目してタンパク間の結合やそれによるタンパク質修飾の変化の検出を試みた。最初にCHRNA7の高発現とその後の精製を行うために、融合タンパク発現プラスミドの作製と評価を行い、研究に必要な材料を確立した。現在大腸菌にCHRAN7を過剰発現させた後、精製・濃縮し、アミロイドβタンパクとの相互作用を物理化学的アプローチにより調べているところである。 アルツハイマー病脳に蓄積するアミロイドβタンパクが、リガンドとしてCHRNA7に結合するという報告があるため(Wang et al.J.Biol.Chem.275,5626-5632)、CHRNA7がアルツハイマー病でも何らかの役割を果たしている可能性がある。最終年度はCHRNA7とアミロイドβタンパクのタンパク間の結合や蛋白質修飾の変化を生化学・細胞生物学的アプローチから観察することにより、アルツハイマー病と精神疾患の病態メカニズムの関係についても調べていく予定である。
|