2010 Fiscal Year Annual Research Report
視神経をモデルとした神経活動依存的な髄鞘形成と軸索のグループ化法則の解明
Project/Area Number |
21700418
|
Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
稲村 直子 生理学研究所, 分子生理研究系, 特別協力研究員 (20397623)
|
Keywords | 神経科学 / 神経化学 / 神経発生学 / ミエリン / グリア |
Research Abstract |
神経回路の適切で敏速な情報伝達のために、髄鞘を形成することは非常に重要である。一つのオリゴデンドロサイトは複数の軸索に髄鞘を形成するが、髄鞘を形成する上でオリゴデンドロサイトが発達過程でどのように選択的に軸索に髄鞘を形成しているかは不明である。このことを解明するため、ニューロンの細胞体と軸索の分布が明確に区別されている視覚系を用いて研究を行った。オリゴデンドロサイトにより軸索がどのように選択的に形成されているかを観察するために、オリゴデンドロサイトを散発的に可視化する様々な方法を検討した。前年度はタモキシフェン依存的なOlig2ノックインマウスを用いて、様々な時期にOlig2を時期特異的に発現させ、GFPで可視化したが、生後2週以内に発現させてもオリゴデンドロサイトが局所的に集合して発現していたので、今年度はさらに成長したマウスに発現させて解析した。また成熟オリゴデンドロサイトに可逆的に遺伝子発現を調節すれば、髄鞘を形成するオリゴデンドロサイトの可視化や機能変化を解析できると考え、tetO-tTAシステムを用いたマウスを検討した。成熟オリゴデンドロサイトに特異的に発現する蛋白PLPのプロモーターの下流にtTAを発現させた、テトラサイクリン依存的に成熟オリゴデンドロサイトで遺伝子発現を調節できるマウスにおいて、軸索形成を始めている成熟オリゴデンドロサイトでのGFP発現を確認した。この結果については現在投稿準備中である。
|