2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリア型グルタミン酸トランスポーター新規調節機構の解明
Project/Area Number |
21700422
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
佐藤 薫 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 第一室長 (10311391)
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Keywords | L-gluトランスポーター / アストロサイト / Xenopus oocyte / PIP2 / syntaxin / EAAT2 / PI4キナーゼ / 蛋白質相互作用 |
Research Abstract |
本研究は興奮性神経伝達物質のシナプス間隙からの取り込みを担うグリア型グルタミン酸(L-glu)トランスポーターの新規機能調節機構を解明することを目的とする。本年度は、(1)リン脂質セカンドメッセンジャーであるPIP2による直接的な調節機構、(2)SNARE蛋白質であるsyntaxinとの相互作用による調節の可能性について、中枢神経系において中心的な役割を果たしているEAAT2強制発現Xenopus oocyteを用いた電流測定実験を用いて検討した。 (1)PIP2は、細胞膜構成成分であるリン脂質(PI)からPI4キナーゼを介して産生される。そこで、PI3/PI4キナーゼ阻害薬であるWortmannin(WMN)(μMオーダー)を細胞外投与したところ、L-glu誘発電流の振幅値の減少が観察された。しかし、選択的PI3キナーゼ阻害薬であるLY294002によって電流抑制作用は観察されなかった。これは、PIP2によりEAAT2調節が恒常的に行われていることを示唆している。 (2)Xenopus oocyteにsyntaxinとEAAT2を共発現した所、EAAT2電流の振幅値の減少が観察され、syntaxinとEAAT2との相互作用による調節機構の可能性が示唆された。 今後、WMN、syntaxinによるEAAT2電流抑制作用のメカニズムについて蛋白質発現やトラフィッキングを視野に入れ、さらに詳細な検討を行う予定である。
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Research Products
(7 results)