2009 Fiscal Year Annual Research Report
軸索の形態維持におけるmilton遺伝子の分子多様性について
Project/Area Number |
21700424
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
米倉 真一 Shinshu University, 農学部, 助教 (40443113)
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Keywords | 軸索 / ミトコンドリア / スプライシング / アイソフォーム / 分子多様性 |
Research Abstract |
軸索の形成、維持は神経機能や神経細胞の生存に必須であり、神経変性性疾患の症状の多くの発生には軸索変性が寄与している。本研究課題は、軸索の形態がどのような分子メカニズムで維持されているのか明らかにすることを目指すものである。申請者は、ミトコンドリアの軸索輸送に必要不可欠であるmilton遺伝子の変異により軸索の形態に異常が認められることを明らかにしている。同じmilton遺伝子でも、異なるalternative splicing axonの変異により、軸索変性(379A株)、軸索の異常伸長(69A株)と全く異なる表現型を示すことから、milton遺伝子の分子多様性と軸索の形態維持との関係に焦点を当て研究を進めてきた。mito-GFPを用いたミトコンドリアの局在を検討した結果、379A株と69A株の両変異体において、ミトコンドリアの軸索輸送に異常が確認された。すなわち、ミトコンドリアの輸送異常は両変異体でおきていることから、両変異体の表現型の違いはミトコンドリアの輸送とは別のイベントの違いにより生じていることが示唆された。ゲノムデーターべース解析より、milton遺伝子はalternative splicingにより4種のアイソフォームが存在することが明らかとなった。両変異体の変異部位は、異なるalternative splicing axonに存在することから考えても、各アイソフォームで異なる機能を有し、またミトコンドリアの輸送以外の機能も有することが本実験より明らかとなった。各アイソフォームの機能を明らかにするために、これまで2種のアイソフォームのcDNA全長のクローニングに成功し、現在、残りの2種のクローニングを行っているところである。今後、シングルアイソフォームでのレスキュー実験を行うことで、アイソフォームによる機能性の違いがあるのか検討していきたい。
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Research Products
(3 results)