2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700436
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
澤 智華 昭和大学, 医学部, 助教 (80422541)
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Keywords | 疼痛 / 線維筋痛症 / 神経疾患 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
線維筋痛症に奏効のある薬剤(ガバペンチン等)の生体内標的分子を単離・同定し薬理機構の解明を目的とした。 本研究で利用した機能性磁性微粒子は適度な親水性と高い分散性を有する高性能アフィニティ精製用担体であり、最表面のエポキシ基を利用して様々なリガンドを共有結合により微粒子上に固定化することが可能である。 本研究では、2種類の薬剤誘導体を用い、それぞれの薬剤の構造部位ごとに認識する標的因子を探索した。 平成21年度は市販のガバペンチン誘導体I(NeoMPS,France)を用いて微粒子への固定化とマウス脳抽出液からの標的分子の探索を試みた。誘導体Iの微粒子上への固定化では薬剤のカルボキシル基を利用するため、アミノ基付近部位を認識する標的分子が得られると予想された。これと並行して、薬剤全体を認識する標的分子を得るべく、薬剤のアミノ基、カルボキシル基以外で微粒子に固定化できる新規ガバペンチン誘導体IIを外注した(新成化学、大阪)。ガバペンチン誘導体I固定化微粒子を用いて、マウスの全脳組織から標的因子をアフィニティ精製したところ、細胞膜画分からガバペンチンに特異的に結合する因子が検出され、アクチンと判明した。 平成22年度はガバペンチン誘導体II固定化微粒子の調整を検討した。誘導体IIの合成は困難だったが、最終的に合成に成功した。固定化はスクシンイミドを有する微粒子に対してFmocガバペンチン誘導体IIを固定化したところ、十分量の薬剤が微粒子上に固定化され、微粒子の作製に成功した。現在、この微粒子を用いた標的因子の精製を検討している。
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