2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700439
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Research Institution | 財団法人大阪バイオサイエンス研究所 |
Principal Investigator |
矢和多 智 (財)大阪バイオサイエンス研究所, システムズ生物学部門, 研究員 (90455246)
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Keywords | ニューロン / シナプス / 神経回路 |
Research Abstract |
(1)中位核神経細胞の活動記録 瞬目反射学習において小脳中位核がどのような役割を果たしているのかを明らかにするために、瞬目反射学習中のマウス中位核から神経活動記録を行った。無条件刺激である瞼への刺激は、これまで瞼に埋め込んだ電極から電流刺激を与えることで行ってきたが、この方法では電気的ノイズが記録されてしまう。そこで、エアパフによる空気刺激により瞬目条件反射学習を行った。 学習前において、中位核神経細胞は音刺激には反応せず、瞼刺激によって活動の上昇がみられた。一方、学習により音刺激にも反応して活動上昇する細胞が確認できた。 (2)高速度ビデオカメラによる瞼動作の詳細な観察 小脳機能阻害により瞬目条件反射における瞼動作に異常が観察されることが知られている。瞼動作の詳細な解析を目的とし、高速度ビデオカメラを用いた観察系を立ち上げた。まず野生型マウスを用いて学習により獲得した音刺激に対する瞼の反応を観察した。野生型マウスでは、瞼は瞼刺激のタイミングで最大に閉じられていた。一方、小脳皮質を吸引除去したマウスでは、音に対して反応はするが、その反応は潜時が短く、瞼刺激よりも早いタイミングで最大値を示した。 次に、我々の研究室において作成した小脳顆粒細胞からの神経伝達物質放出を選択的・可逆的に阻害できる遺伝子改変マウス(RNBマウス)を用いて実験を行った。その結果、RNBマウスも皮質除去マウスと同様に潜時の短い反応を示すことが分かった。
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