2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞外分子欠損症における、組織標的シグナルを利用した汎用治療法の開発研究
Project/Area Number |
21700443
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 美佳子 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (60444402)
|
Keywords | 先天性筋無力症候群 / collagen Q / AChE欠損症 |
Research Abstract |
先天性筋(AChE)無力症候群の1つであるCollagen Q (ColQ)変異による終板アセチルコリンエステラーゼ欠損症に対するタンパク係留療法の開発を試みた。 COLQを組み込んだアデノ随伴ウィルス(AAV)をKOマウスの尾静脈より全身投与(~2x10^<12>genome copies)4週間後には、ロタロッドによる運動テストで正常マウスと同成績まで回復した。治療マウスの骨格筋の組織切片では、AChR部位に、AChE活性とColQ抗体によるシグナルが検出され、神経筋接合部においてColQが集積していた。また、治療マウスの骨格筋中では、未治療群では存在しないAChE-ColQ複合体が正常の89%まで上昇していた。 全身投与マウスで治療効果が高かったのは、COLQ遺伝子導入された細胞の割合が低くても,ColQ自らの細胞外集積により、神経筋接合部において十分量を獲得できたためと考えられる。それを実証するためにKOマウスの右肢前頸骨筋にAAV-COLQを筋肉注射(1x10^<11>genome copies)し、発現したColQの全身筋組織への移動を検証した。その結果、AChEとColQの集積が観察され、AChE活性は正常の15%に上昇していた。一方AAV-LacZおいては、非注入部位で発現が見られなかった。これは、ColQが細部外分子であるため、遺伝子導入された細胞組織以外に、体液を介して他部の組織シナプス基底膜に係留したと考えられる。しかし、非注入部である左肢、前肢でのAAV-ColQ感染細胞は0.15%であった為、タンパクが血流に乗って伝達されたとは言い切れない。そこで、局所注射において全身にAAVが伝達しにくいAAV serotype1に変更するなどして更なる検証を行う予定である。
|
-
-
[Journal Article] Molecular hydrogen is protective against 6-hydroxydopamine-induced nigrostriatal degeneration in a rat model of Parkinson's disease.2009
Author(s)
Fu Y, Ito M, Fujita Y, Ito M, Ichihara M, Masuda A, Suzuki Y, Maesawa S, Kajita Y, Hirayama M, Ohsawa I, Ohta S, Ohno K.
-
Journal Title
Neuroscience Letters
Volume: 453
Pages: 81-85
Peer Reviewed
-
-
-
-