2009 Fiscal Year Annual Research Report
実験動物として現存するコモンマーモセットのMHCハプロタイプ数の推定
Project/Area Number |
21700446
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高林 秀次 Hamamatsu University School of Medicine, 動物実験施設, 助教 (70372521)
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Keywords | コモンマーモセット / 主要組織適合遺伝子複合体(MHC) / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
コモンマーモセットは真猿類に属する高等霊長類であることから実験動物として大きな期待が持たれている。しかし、マーモセットのゲノム情報はあまり明らかにされていない。特に、免疫系に関わるMHCに関する報告は少ない。このような現状はマーモセットを移植やがん研究などの応用研究に利用する妨げになっていると考えられる。MHC分子は感染病原体やがん細胞の排除及び臓器移植の拒絶反応などに関与し、免疫にとって重要な働きをする。MHCはヒトではHLA(Human Leukocyte Antigen)と呼ばれ、マーモセットではCajaと呼ぶ。MHC分子は大きく分けてクラスIとクラスIIの2種類がある。マーモセットにはクラスI分子にはCaja-G、クラスII分子にはCaja-DR、-DP、-DQがあり、それぞれの遺伝子が個体間で非常に多様性に富んでいる。MHCを含む領域は全長3.6Mbp以上におよぶ遺伝子複合体を形成し、1組のまとまったハプロタイプとして親から子へ遺伝する。 本研究ではマーモセットのハプロタイプを明らかにすることを目的として、本年度はクラスII遺伝子の多型を調べた。我々の施設では現在約70頭のマーモセットを維持繁殖している。これら個体を対象にクラスIIのDQA1、DQB1、DPA1およびDRB1のエクソン2をPCRにて増幅し、シークエンスを行った。その結果、DQA1、DQB1およびDPA1はそれぞれ2、3および2種類のアレルがあることが明らかとなった。しかし、これらはどれもアミノ酸置換を伴わない変異であり、作られるDQA1、DQB1およびDPA1タンパクは1種類であることが示唆された。一方、DRB1は9種類のアレルがあり、3種類の新規配列を明らかにした。
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