2010 Fiscal Year Annual Research Report
実験動物として現存するコモンマーモセットのMHCハプロタイプ数の推定
Project/Area Number |
21700446
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高林 秀次 浜松医科大学, 動物実験施設, 助教 (70372521)
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Keywords | コモンマーモセット / 主要組織適合抗原遺伝子複合体 / Callithrix jacchus / MHC / Caja-G / DRB1*03 |
Research Abstract |
コモンマーモセットは近年、実験動物としての注目が高まっているが、近交系は存在せず、クローズドコロニーとして維持されているのみである。このことは免疫、移植などの研究をする際に大きな障害となる。そのため、コモンマーモセットの主要組織適合抗原遺伝子複合体(MHC)の遺伝子情報を解明することが重要である。そこで、本研究はコモンマーモセットのMHC遺伝子の遺伝子型判定法を確立し、MHCクラスIおよびクラスIIのコモンマーモセット個体における遺伝子多型を明らかにすることを目的に行なった。はじめにMHCクラスIIのCaja-DQA1、DQB1、DRA1およびDRB1*03についてPCR法を用いた遺伝子型の判定方法を確立し、その多型性について解析を行った結果、DQA1、DQB1、DRA1には調べた35頭中にはアミノ酸置換を伴うような遺伝子多型は存在しなかった。一方、DRB1*03にはアミノ酸置換を伴う15個のアレルが存在し、そのうち6個の新しいアレルを明らかにした。77頭のマーモセットを調べた結果、既知のDRB1*0301アレルが最も頻度が高かった(約90%)。 次にクラスIのCaja-Gについて遺伝子型検査法を確立した。その結果、アミノ酸配列が異なる14のアレルを発見した。そのうち、13のアレルはNCBIのデータベース上に存在しない新規のものであった。本研究ではCaja-DRB1*03とCaja-Gの個体ごとの遺伝子型の同定とハプロタイプを明らかにすることが目的であった。しかしながら、コモンマーモセットのMHCのアレル数は想像以上に多様であり、コモンマーモセット特有の血液キメラの問題もありハプロタイプの同定には至らなかった。コモンマーモセット家系を用いてMHCのハプロタイプを明らかにすることが今後の課題である。
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Research Products
(2 results)