2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工染色体ベクター搭載マウスによる個体レベルでのエピジェネティクス解析
Project/Area Number |
21700451
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
柏木 明子 Tottori University, 医学部, 助手 (90335521)
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Keywords | 遺伝子改変マウス / エピジェネティクス / 人工染色体 / 染色体工学 / トランスクロモソミックマウス |
Research Abstract |
遺伝子改変マウス作製のトランスクロモソミックマウス作製技術の向上を目指した。この技術は染色体工学と発生工学を融合して鳥取大学で開発した技術であり、これまでにヒト抗体産生マウス樹立などの成果を出している。今年度は、染色体ベクター上の遺伝子改変がよりスムーズに行えるようなシステムの構築を行った。その結果、マウスES細胞の人工染色体(HAC)ベクターに、Cre/loxPシステムによりBACやPACに組み込まれている大きな遺伝子(100kbp以上)を効率よく導入出来る条件を確立した。これにより、従来行われてきた微小核融合法を用いずに、マウスES細胞上のHACベクターに遺伝子を導入することが可能になる。微小核融合法は、特殊な機器を必要とする技術であるため汎用的ではない。この欠点を克服したことは、トランスクロモソミックマウス作製技術を遺伝子改変マウス作製技術として、汎用性を高める為に貢献できる。また、エピジェネティックスの変動を解析するために、ポリコーム複合体の構成因子の1つであるCbx6遺伝子のコンディショナルノックアウトマウス作製を試みた。第1エクソンを欠損させるようにloxPではさみ込むようにデザインしたターゲティングベクターをデザインした。このベクターをC57B/6由来のES細胞に導入して、相同組み換え体のクローニングを試みている。PCRで確認したところ1クローンが得られた。現在、この1クローンをインジェクションして、キメラマウスを作製するとともに、新しいクローンの取得を進めている。
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