2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700455
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Research Institution | National Institute of Biomedical Innovation |
Principal Investigator |
下澤 律浩 National Institute of Biomedical Innovation, 霊長類医科学研究センター, 研究員 (50300786)
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Keywords | クローン / 核移植 / 体外培養 / 単為発生 / 活性化処理 |
Research Abstract |
クローン胚の作出効率は非常に低率である。この技術を多くの卵の確保が困難な動物種へ応用するためにも、異種卵を利用した基盤技術を確立する必要がある。本研究を基礎としたクローン作出技術によってクローンES細胞ならびに個体の作製に結びつき、さらにそれらは個体保全あるいは遺伝子操作個体作出など実験動物として生物資源分野や再生医療などの医学分野などに大きく貢献することが期待できる。このような展開が期待されている動物種がサルであることから、本研究ではカニクイザルに由来する体細胞とサル卵に似た形態を持ち、比較的に卵数を確保できるウサギ卵を使用した体細胞核移植方法の基盤技術の確立に向けた検討を行う。そこでまず、体外培養に使用する培養液を決定する検討を行った。本検討では、サルの核をウサギ卵細胞質中に導入するため、核移植によって作出された構築卵の培養に使用する培養液として、両者それぞれで常法的に用いられている培養液のどちらかを明らかにする必要があるからである。ウサギ受精卵およびサル受精卵で用いられている培養液の2種でウサギ受精卵を培養したところ、両者共に胚盤胞への発生に大きな差は見られなかったが、胚盤胞に到達し、その後の胞胚腔の成長あるいはハッチングはサル受精卵用培養液を使用した時に早い傾向にあることが観察された。そのため、本研究で使用する培養液としては、サル受精卵用培養液を使用すべきであると考えられた。次に、体細胞核移植後に活性化処理を施し、発生を誘導する必要がある。これは、単為発生と同じ処理であることから、ウサギ未受精卵を採取し、イオノマイシンとジメチルアミノプリン(DMAP)あるいはサイクロヘキシミド(CHX)の複合処理により単為発生を検討した。その結果、両者で明確な差は認められなかったが、核移植法として極体を放出させない場合はDMAPを、極体を放出させる場合はCHXを使用するべきであることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)