2010 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル画像法および神経造影法による神経線維描出の精度向上
Project/Area Number |
21700463
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笈田 武範 京都大学, 工学研究科, 助教 (70447910)
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Keywords | 生体情報・計測 / 医用・生体画像 / 磁気共鳴画像法 / 拡散強調画像法 / 拡散テンソル画像法 / 線維追跡 |
Research Abstract |
近年,拡散テンソル画像法(DTI)による神経線維束の描出が盛んに行われている.DTIは,脳機能の解明や脳梗塞・脳腫瘍の描出に有効な手法である.また,線維追跡(tractography)によりDTIからの神経線維描出も盛んに研究されている.上記手法の精度向上は,神経系疾患の診断支援になるばかりでなく,脳神経組織の機能的結合評価など様々な応用が期待されている.本年度は,DTI計測および線維追跡の精度向上を目指し,拡散テンソルの異方性を強調したDTI計測法および線維交叉部における誤追跡,未追跡を低減する新しい線維追跡手法の開発を行った.具体的には,DTI計測では一般にb値をパラメータとして撮像を行うが,同一b値に対しても複数の撮像パラメータセットを生成することが可能であり,本年度は拡散異方性の1つであるfractional anisotropy (FA)を強調できるようにこの撮像パラメータを選択する方法について検討した.その結果,q値を小さく,つまり拡散時間を長く設定することが有効であることをシミュレーションにより確認した.また,6~100μmの毛細管を有するキャピラリプレートを用いた計測においても本手法の有効性を確認した.このFAを強調したDTI計測を用いることにより,異方性を指標として実行される線維追跡の精度向上に寄与するものと考えられる.また,上記の撮像法を検討する際に構築したシミュレーションシステムにより,拡散強調画像法を用いた機能的MRI(fMRI)の撮像パラメータについても検討を行った.本手法により,現在一般的に用いられているBOLD法を用いたfMRIより時空間分解能の向上が期待されている.さらに,我々は独自の手法である曲率偏差探索法を用いた線維追跡法の開発した.本手法により線維交叉部における誤追跡,未追跡を低減することができ,線維追跡精度の向上を実現した.
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Research Products
(7 results)