2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳波波形変化メカニズムの解明-モデルパラメータ推定を用いたアプローチ-
Project/Area Number |
21700480
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 康 National Institute of Information and Communications Technology, 未来ICT研究センターバイオICTグループ, 専攻研究員 (00455453)
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Keywords | 脳波 / 脳磁界 / 確率モデル / パラメータ推定 / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究はモデルパラメータ推定を用いたアプローチにより,脳波波形変化メカニズムの解明を目指すものである.これまでに我々が構築した脳波モデルは一次視覚野を元にしていた.しかし,実際の実験データは一次視覚野の活動のみならず,高次視覚野の活動も含まれる.それ故,高次視覚野も含むモデルに拡張する必要があったため,この拡張をおこなった.この拡張したモデルを利用してシミュレートすることにより,高次視覚野からのフィードバックと考えられる波形の再現に成功し,この拡張したモデルの妥当性が検証された.さらには,脳波の代表的な成分であるα波に関して,α波の位相リセットという波形変化メカニズムについては高次視覚野からのフィードバックが重要な役割を果たしていることを,本モデルを用いて示すことに成功した. 続いて,実際の実験結果から特徴量を抽出するために脳波を確率モデル化し,この確率モデルのパラメータを推定可能な手法を開発した.この手法により,脳波実験データから振幅や位相といったパラメータのみならず,振幅,位相のばらつきといったハイパーパラメータの推定も推定することが可能となった.これらの特徴量は脳波波形変化を示す特徴量であり,これを推定することは脳波波形変化メカニズムを解明する上で非常に重要であり,モデルパラメータ推定を用いたアプローチを行うことにより,初めて可能となったものである.本年度の成果からも脳波データに対してモデルパラメータ推定を用いたアプローチは非常に有用であることが示された。
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Research Products
(5 results)