2009 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織再生医用材料の表面科学と骨芽細胞・破骨細胞分化機能制御機構の解明
Project/Area Number |
21700485
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 美穂 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 助教 (40401385)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / バイオセラミックス / ぬれ性 / 表面解析 / 細胞接着 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究は、リン酸カルシウム系バイオセラミックス上における骨芽細胞及び破骨細胞挙動を明らかにし、分極バイオセラミックスの表面科学特性が両細胞に与える影響について検討することを目的として行われた。本研究の目的を達成するために、2年間の研究期間内に3つのサブプロジェクトが計画されている。すなわち、(1)試料片として用いる種々のバイオセラミックスの作製と表面科学解析、(2)骨芽細胞評価、(3)破骨細胞評価である。 H21年度は(1)表面科学解析と、表面科学的性質の相違が(2)骨芽細胞と(3)破骨細胞挙動に影響を及ぼすか否かの確認を行うことが目標であった。その結果、バイオセラミックスの分極処理は、XRD, FT-IR,表面粗さ、結晶粒径には影響を及ぼさないが、接触角測定におけるぬれ性に効果があることが確認された。これは、骨芽細胞評価においてみられた骨芽細胞接着能亢進効果の原因の一つであると推測される。骨芽細胞評価においては、細胞増殖能亢進、分化能亢進も確認されたことから、長期的な骨芽細胞挙動制御が可能であると考えられる。また、破骨細胞評価においては、バイオセラミックス上における破骨細胞実験系を確立することができ、さらに分極試料上で破骨細胞吸収抑制効果が見られた。これらの成果について国際会議及び国際学術雑誌において報告を行った。 H22年度は、骨芽細胞・破骨細胞挙動評価に現れる相違の原因を分子レベルで解明し、得られた成果を国際会議、国際学術雑誌において報告する予定である。
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