2009 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の増殖を促進させる三次元不織布型スキャホールド材料の創製
Project/Area Number |
21700487
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 助教 (40402656)
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Keywords | 立体型不織布 / 骨再建用スキャホールド材料 / エレクトロスピニング / シリコン種イオン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、再生医療分野にて注目される間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell ; MSC)をはじめとした未分化細胞を、積極的に増殖させるスキャホールド材料の開発である。細胞の活性化に有効と報告される微量のシリコンに着目し、材料へのシリコン徐放能の付与を試みると同時に、シリコンによる未分化細胞への効果について検討する。また、スキャホールド材料に求められる機能である「多量の細胞の担持能」および「操作性」を考慮し、三次元構造を有する不織布型スキャホールドを作製する。 本年度は、大きく二つの目的を設定し研究をスタートさせた。(1)MSCをはじめとする未分化細胞へのシリコン効果の検討については、様々なイオン形態のシリコン種を用いたMSCへの活性化効果を観察した。アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)またはテトラエトキシシラン(TEOS)用いて作製したシロキサン含有炭酸カルシウムを浸漬して作製したシリコン含有培養培地、および45S5タイプバイオガラスを浸漬して作製したシリコン含有培養培地を用いてMSCを培養し、増殖および分化の指標となるアルカリフォスファターゼ活性値を評価した。その結果、シリコン種の違いにより細胞挙動に変化があることがわかった。培地中における各シリコン種の形態の違い、および含有する官能基による影響ではないかと推測している。(2)三次元構造を有する不織布型材料の作製については、エレクトロスピニング法(ES法)を用いて不織布型材料の立体化を実現させる作製条件の検討を行った。ES法においてポリマー溶液が飛散するとき、溶液がより迅速に乾燥するように雰囲気を工夫することで、様々な組成の立体型不織布材料を作製することに成功した。また、組成には依存するが柔軟性を有する材料も得ることができたことから、本研究課題にて目的とする操作性の高いスキャホールド材料の実現において重要な結果を得ることができたと考える。
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Research Products
(37 results)