2010 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の増殖を促進させる三次元不織布型スキャホールド材料の創製
Project/Area Number |
21700487
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40402656)
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Keywords | 立体型不織布 / 骨再建用スキャホールド材料 / エレクトロスピニング / シリコン種イオン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、再生医療分野にて注目される間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell ; MSC)をはじめとした未分化細胞を、積極的に増殖させるスキャホールド材料の開発である。細胞の活性化に有効と報告される微量のシリコンに着目し、材料へのシリコン徐放能の付与を試みると同時に、シリコンによる未分化細胞への効果について検討する。また、スキャホールド材料に求められる機能である「多量の細胞の担持能」および「操作性」を考慮し、三次元構造を有する不織布型スキャホールドを作製する。 本年度は、以下のような研究を行った。(1)シリコン種イオン含有炭酸カルシウムとポリ乳酸の複合体を用いて立体型不織布材料を作製した。多量の炭酸カルシウムを導入するには、加熱混練法が有効であることを見出した。得られた複合体を用いて、エレクトロスピニング法によりナノ~ミクロンサイズの繊維からなる材料を作製することに成功した。さらに、(2)当複合体について核磁気共鳴や赤外分光法等を用いて構造解析を試みた。炭酸カルシウムとポリ乳酸間において、化学的結合が形成されていることを見出した。この結合が、ポリ乳酸の分子鎖の切断に寄与し、より分解性に優れた材料を得ることができた。(3)当複合体からのシリコン溶出挙動を、細胞培養培地中にて検討した。極微量のシリコンを7日間以上徐放し続けることを見出した。細胞を活性化させるに十分な量を徐放することを確認した。(4)繊維表面の細胞親和性をより向上すべく、細胞接着性に優れると報告のあるハイドロキシアパタイトをコーティングすることに成功した。今後行う細胞実験によって、その有効性を評価していきたい。
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Research Products
(34 results)