2011 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞の増殖を促進させる三次元不織布型スキャホールド材料の創製
Project/Area Number |
21700487
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40402656)
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Keywords | 立体型不織布 / 骨再建用スキャホールド材料 / エレクトロスピニング / シリコン種イオン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、再生医療分野にて注目される間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell ; MSC)をはじめとした未分化細胞を、積極的に増殖させるスキャホールド材料の開発である。細胞の活性化に有効と報告される微量のシリコンに着目し、材料へのシリコン徐放能の付与を試みると同時に、シリコンによる未分化細胞への効果について検討する。また、スキャホールド材料に求められる機能である「多量の細胞の担持能」および「操作性」を考慮し、三次元構造を有する不織布型スキャホールドを作製する。 本年度は、以下のような研究を行った。(1)昨年度までに作製した三次元構造を有する材料に対して細胞を播種し、材料内での細胞の接着や進入挙動および増殖挙動について観察した。細胞内のアクチンを蛍光染色し観察したところ、約2mm厚のサンプル内部において細胞が接着し、増殖している様子がわかった。細胞が進入可能なファイバー間隙が形成できており、ファイバーに沿って増殖していることがわかった。通常の膜状不織布と比較したところ、三次元構造を有する材料の方が、担持可能な細胞数が有意に大きいことがわかった。(2)材料内のファイバー骨格を変化させた時の、細胞の接着や進入挙動について比較検討した。ファイバーの密度を変化させ、細胞を播種し、細胞の接着や増殖挙動について観察したところ、密度の違いによる影響はほぼみられなかった。一方で、膜状不織布とは明らかな違いを示したことから、作製方法による影響が大きいと考える。三次元構造を有する材料の作製においては、ファイバー同士が合着するのを抑制している。そのため、細胞の接着ポイントとなる合着部が少なく、その結果、三次元構造を有する材料においては、細胞の初期接着数は低いが、培養を続けることで進入・担持機能に優れる結果となった。
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Research Products
(20 results)