2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複合体微粒子内包アパタイトによる持続型遺伝子治療製剤の創製
Project/Area Number |
21700494
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
伊藤 智子 武蔵野大学, 薬学研究所, 特別研究員 (80372910)
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Keywords | 遺伝子治療 / 放出制御 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
非ウィルス型の遺伝子治療において、一般に外来遺伝子の発現は極めて短期間で自然消滅してしまうため、有効な治療に結びつきにくい。そのため効果が持続する徐放タイプの遺伝子導入製剤が強く望まれている。そこで、本研究では、ヒアルロン酸で被覆したDNA複合体を自己硬化型アパタイトセメント中に包含させる、または、アパタイト薄膜でマイクロカプセル化することにより、持続性のある注射可能な核酸製剤を創製することを試みた。 自己硬化型アパタイトセメントはリン酸水素カルシウム・二水和物とリン酸四カルシウム、さらに添加剤としてアテロコラーゲンを加えて混合粉砕し、リン酸水溶液で懸濁させることで調製した。DNA複合体微粒子濃厚懸濁液は、免疫活性化遺伝子であるGM-CSFをコードしたプラスミドDNA(DNA-GM-CSF)を用い、希薄条件下で調製したDNA-GM-CSF/ポリエチレンイミン(PEI)/ビアルロン酸超微粒子を凍結乾燥・再水和することで得られた。マウスメラノーマ細胞B16をマウスの皮下に移植して担癌マウスを作製し、DNA-GM-CSF複合体含有アパタイトセメントスラリーを腫瘍近傍に投与した。生体内で固化したセメントは1ヶ月以上にわたって徐々に溶解し、DNA複合体粒子を放出し続け、完治を含む非常に高い治療効果を示した。 DNA複合体内包アパタイトマイクロカプセルはヒアルロン酸で被覆したDNA/PEI複合体を疑似体液に浸漬することで調製した。このDNA複合体内包アパタイトマイクロカプセルをB16培養細胞に導入したところ、発現期間の遅延が見られた。これらをメラノーマ担癌マウスの腫瘍局所内に投与したところ顕著な延命効果が示された。 以上のように、DNA複合体微粒子を内包したアパタイトセメントは及びアパタイト薄膜でマイクロカプセル化したDNA複合体は注射可能な長期発現型核酸徐放製剤としての応用が期待される。
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Research Products
(16 results)