2010 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子を用いた包接型1細胞アレイチップの開発
Project/Area Number |
21700496
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
横山 義之 富山県工業技術センター, 機械電子研究所・電子技術課, 主任研究員 (60416154)
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Keywords | 温度応答性高分子 / 細胞チップ / 1細胞操作 / ゲル / フォトリソグラフィー / ナノインプリント |
Research Abstract |
これまでに、温度応答性高分子の体積変化を利用した包接型細胞アレイチップの開発を行ってきた。この細胞チップでは、チップの温度制御を行うことで、アレイ状に配置した各ウェルの内部で、細胞を自由に掴んだり放したりすることができる。H22年度は、近赤外レーザーのスポット加熱を利用した特定の1細胞の出し入れが可能になる機能や、細いキャピラリーの突き刺しによる特定の1細胞への試薬の注入機能など、従来の包接型細胞チップの一層の高機能化を行った。 1.特定定の1細胞の出し入れについて 近赤外光を吸収するカーボン微粒子を分散させた包接型細胞チップを作製し、近赤外レーザーのスポット加熱によって、特定のウェルの開閉を瞬時に引き起こすことが可能になった。これにより、アレイ状に配置した数十万個の細胞や微粒子の中から、特定の1細胞だけを自由に取り出すことができるようになった。 2.特定の1細胞への試薬の注入について 温度応答性ポリマーの化学組成を変更することで、温度応答性ポリマーの膨潤時の柔らかさを調整し、細いキャピラリーを突き通せる柔らかさへと変更することができた。これにより、膨潤状態の温度応答性ポリマーに掴まれている細胞に対して、キャピラリーを突き刺し、直接、試薬を注入することが可能になった。 H23年度は、今年度に取り組んだ"特定の1細胞の取り出し機能"、"特定の1細胞への試薬注入機能"を利用して、"特定の1細胞同士の融合操作"というより高度な細胞操作が行える細胞チップの開発を試みる。更には、電動XYステージと近赤外レーザーのシャッターを連動させ、指定した複数個の細胞を連続で操作できる自動システムの構築を試みる。
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