2009 Fiscal Year Annual Research Report
複数連結可能な屈曲機構による内視鏡下手術用細径マニピュレータの研究開発
Project/Area Number |
21700501
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 紘正 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 助教 (00470005)
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Keywords | 機械要素 / 知能機械 / 医療・福祉 / 内視鏡手術 / マニピュレータ |
Research Abstract |
本研究は,より安全・迅速な低侵襲手術を実現するため,高い信頼性を有する細径の多自由度マニピュレータを開発することを目的とする.複数の微小なギヤの組み合わせによる新たな駆動方法を提案し,多関節を有する円筒状のフレームを,より少ない機械要素で駆動可能なマニピュレータを開発する.1つの関節で連結した2つのフレームを最小の屈曲ユニットとし,複数個連結することで,関節数や最大屈曲角度などを自由にカスタマイズ可能とする. 初年度は新しい屈曲機構ユニット(外径5mm)の考案と試作評価を中心に,以下の1~3について研究を進めた. 1)微細なギヤを駆動力の伝達要素に組み込んだ屈曲機構ユニットの設計・試作を外径5mmにて行った,ギヤとしてはモジュール0.2の微小な平ギヤとフェースギヤの2種類を組み合わせて製作した.特にフェースギヤの製作については,既存の製品はなく特殊な加工を必要としたため,設計の後に金属加工業者へ外注して試作を行った.また,次項に示す評価の後に,外径3mmに細径化するための再設計を行った. 2)1で試作した屈曲機構ユニットを2個連結し,上下左右への2方向への屈曲自由度を設けたマニピュレータの評価を行った.駆動における摩擦はほとんどなく,いずれの自由度も0.03Nmm程度の低トルクにて±90゜の屈曲が可能であった. 3)1と2の基盤技術について特許の出願を行った.また,2つの国内学会にて,外径5mmのマニピュレータ開発についての成果発表を行った。 次年度は,外径3mmにて,1に示したユニットを2個以上連結するための機構について設計・試作を進める.また,動力伝達に多層のトルクコイルを複数用いることで,マニピュレータ根元の外筒部を軟性化する.中心軸にはエンドエフェクタとして搭載する把持鉗子やはさみなどを駆動するための極細トルクワイヤを配置する.
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