2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700504
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
和田森 直 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (60303179)
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Keywords | 光音響分光法 / 非侵襲生体計測 / 糖尿病 / 血糖値 / MEMS |
Research Abstract |
これまで様々な非侵襲血糖値計測に関する研究が行われているが、困難なテーマであり、未だ、実用的な手法は確立されていない。 我々は、光音響分光法による非侵襲血糖値測定システムの開発を行っているが、最近では、非観血に加え、連続的な血糖値測定に対する要望が高まっている。血糖値の連続的な測定を実現するためには、システムの低消費電力化、小型化が必要となることから、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用した光音響式血糖センサの省電力化、小型化について検討を行った。 MEMS技術を用いた構成要素の設計では、実際の半導体微細加工のプロセスを考慮して行う必要があるため、プロセス解析ツールが用いられている。このツールを利用して、当初に計画していた励起光源部と一体化された信号検出器を設計したところ、加工時間が大幅に掛かり、年限度内に計画を遂行できない可能性が判明したことや製造会社との打合せにより費用もかさむこともあり、MEMS技術による製造された静電容量式マイクホンのみから構成される光音響式血糖値センサを試作した。 試作した光音響式血糖値センサと波長1540nmのCWレーザを光源として用いて、グルコース水溶液の光音響信号計測を行なった。その結果、1000mg/dl以下のグルコース濃度範囲において、100回の平均化処理でも十分な感度が得られることが確認され、濃度に比例した光音響信号の強度変化が得られた。また、音響管と光マイクロホンを組み合わせた従来の信号検出器を用いて、変調周波数を1.6-1.9kHzの範囲で調整することによって、光音響信号を深さ2-3mmの領域から選択的に検出できることを明らかにし、血糖値の測定精度を向上できる可能性を示した。
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