2009 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスピニングによる機能化ステントの研究開発
Project/Area Number |
21700505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
外波 弘之 Kyoto University, 再生医科学研究所, 特任助教 (90420405)
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Keywords | 血管内治療 / ステント / エレクトロスピニング |
Research Abstract |
昨年度は、脳血管内での使用に適した、小さくて薄いCoCr製バルーン拡張型カバードステントの開発をエレクトロスピニング法を利用して行い、ウサギの総頸動脈起始部あるいは頸動脈に留置し、血管内皮と思われる組織により内腔が中央部まで全て被覆されることが分かった。カバードステント内腔の内皮細胞による被覆は、中長期での血栓症リスクの低減を意味することから、臨床上の意義は極めて大きい。 また、さらに柔軟性に富み、医師による手術時の操作性に優れるNiTi製自己拡張型カバードステントの開発を進めた。バルーン拡張型ステントの場合、縮径状態においてエレクトロスピニングによる処置を施し、比較的容易にナノファイバーからなるカバーをステント外表面に作製することができたが、自己拡張型ステントの場合、拡張状態が維持されるため同様の手法を用いることは困難であった。そこでステント冷却装置を自作し、自己拡張型ステントの縮径状態が維持される低温状態においてエレクトロスピニングによる処置を施した。この方法により、実験室において簡便に自己拡張型カバードステントを作製することが可能となった。作製したカバードステントはカテーテルを模したガラス管に挿入し、室温において射出拡張させることができた。 また、本手法のさらなる応用を模索し、弁様の構造物をステントに付与することで、逆流防止機能を有するステントの開発を行った。構造物の設計および材料の選定を行い、一定の逆流防止が可能であるバルーン拡張型弁付きステントの試作品を作製した。
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Research Products
(3 results)