2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波による温熱療法と樹状細胞免疫療法の併用による低侵襲的がん治療システムの構築
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21700511
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| Research Institution | Teikyo University |
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Principal Investigator |
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 講師 (90384784)
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| Keywords | 超音波 / リポソーム / がん温熱療法 / 樹状細胞 / がん免疫療法 / 低侵襲 |
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| Research Abstract |
これまでに申請者は、薬物キャリアとして臨床応用されているリポソームに超音波造影ガスを封入した新たなタイプの超音波感受性リポソーム(バブルリポソーム(BL))を開発した。このBLに超音波を照射すると、バブルの圧壊が生じ、その時に発生するマイクロジェット流や発熱によりがん細胞が傷害され、抗腫瘍効果を誘導できることを見出してきた。さらに、この温熱療法に抗原提示細胞である樹状細胞(DC)を腫瘍内投与することで高い抗腫瘍効果を得ることに成功している。そこで本研究では、このBLを用いた超音波がん温熱免疫療法における抗腫瘍メカニズムの解析を行った。免疫担当細胞を枯渇した担がんマウスに本併用療法を適用し抗腫瘍効果を検討したところ、CD8^+T細胞を枯渇したマウスにおいて抗腫瘍効果の消失が認められた。このことから、CD8^+T細胞が抗腫瘍効果のエフェクター細胞として機能していることが示された。このように本療法では、がん細胞に対する細胞性免疫が活性化されるため、遠隔転移したがん細胞に対しても治療効果を示すものと期待される。そこで、遠隔転移に対する本療法の有効性を評価した。左右後背部2か所にがん細胞を移植し、一方のがん組織のみを本療法で治療した時の未治療側のがん組織の治療効果を検討した。その結果、未治療側のがん組織についても抗腫瘍効果が認められた。このことから、BLを用いた超音波がん温熱免疫療法が遠隔転移部位に対しても有効ながん治療法になるものと考えられた。
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