2009 Fiscal Year Annual Research Report
粒子線増感法による新規低侵襲型粒子線がん治療法の基礎的検討
Project/Area Number |
21700514
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
島田 博文 Gunma University, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10414575)
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Keywords | 医療・福祉 / 癌 / 重粒子線治療 / 光線力学的療法 / 放射線化学 / 蛍光プローブ |
Research Abstract |
本年度は本研究に関する調査,活性酸素種を同定するための基礎的なデータの収集を行った。まず,PDT用薬剤の粒子線励起による放射線化学的及び放射線力学的性質の基礎的なデータを取得し,本治療システムで腫瘍組織を死滅させる役割を果たす活性酸素種の発生を定性的に評価した。基礎的なデータの取得のため,サンプルは濃度分布が均一な水溶液中において重粒子線(炭素220MeV@JAEA高崎・TIARA)を照射した。使用したPDT用薬剤は,実際にPDTに用いられているフォトフリンやビスダインなどのポルフィリン系の光感受性薬剤及び臨床応用が予定されている光感受性薬剤のうちビスダインを使用した。イオンビームとPDT用薬剤との相互作用によって発生する活性酸素種を同定するため,活性酸素種を効率よく検出するための市販の蛍光試薬(活性酸素プローブ)を使用し,サンプルはPDT用薬剤に活性酸素プローブを添加したものを使用し同定した。重粒子線照射は,イオンビームの大気中照射が可能な日本原子力研究開発機構のTIARAのAVFサイクロトロンの垂直ポートに接続した深度制御種子照射装置を利用した。220MeV(18MeV/u)の炭素イオンビームを,磁場によりX-Y2軸独立走査したイオンビームを厚さ30μmのチタン箔を介して大気中に取り出し,水平に置いたサンプルを攪拌させながら上方から照射した。その後,照射サンプルの光励起による蛍光測定を行い,PDT用薬剤の有無によって活性酸素種の発生が促進されていることが確認できた。
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