2009 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下方法の工夫による薬剤の上部食道停留の予防-維持透析患者を対象として-
Project/Area Number |
21700519
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀬田 拓 Tohoku University, 病院, 助教 (60328333)
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Keywords | リハビリテーション医学 / 嚥下 / 薬剤 / 透析患者 |
Research Abstract |
維持透析患者の服薬時の問題の実態調査に先立ち、今後行われる予定である、嚥下造影検査の準備として、検査に用いるバリウム充填カプセルの軽量化を図った。バリウム粉末と小麦粉を混ぜたものを4号カプセルに充填した場合の重量とX線透視の可否を判断したところ、体積としてバリウム1に対し、小麦粉2の割合で混ぜれば、透視が可能な範囲で軽量化できることが分かった。次に、健常者によるバリウム充填カプセル嚥下時の透視映像を詳細に解析した。その結果、少量(10cc)の水で4号カプセルを飲んだ場合、健常者でも上部食道にカプセルを停留させることがあること。停留は、カプセルが右梨状陥凹を経由して食道に流入した場合に多く、頸部を右回旋し、カプセルを左側に誘導する飲み方をした場合に、停留しにくいことが分かった。また右回旋角度は20度程度で十分である可能性が高いことも分かった。そのため、確実に左側に誘導できる最小の回旋角度を明らかにするために、回旋のみ自由度のあるハローベスト型の頸部固定装具を作製した。透析患者に対しては、予備的なインタビューを行った。内服薬の総数が多く少量の水ではすべてを飲みきることが難しい、また少量の水で無理に飲もうとするとのどにつかえることが時々ある、飲水制限が守れないのは服薬に多量の水を飲むことが理由だと回答する者がいた。同じ水分摂取でも、服薬のための場合は、水分摂取に伴う満足感が異なる印象を受けた。現在、予備的インタビューの内容を検討した上で、量的な検討を可能にすべく、アンケート調査の準備を進めている。
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