2009 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーション運動療法とAGE抑制療法の併用の有効性の機序解明
Project/Area Number |
21700522
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
カク キ Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助手 (50509544)
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Keywords | リハビリテーション / 運動 / AGEs / インスリン抵抗性 / 高血圧 / 骨格筋 |
Research Abstract |
(目的)高フルクトース食投与メタボリック症候群モデルにおいて、長期的運動(EX)とAGE抑制薬であるN-アセチルシステイン(NAC)或いはピリドキシン(B6)の併用が運動耐容能、インスリン感受性(IS)、骨格筋毛細血管密度、酸化ストレスに与える影響を調べた。(方法)6週齢の雄Sprague-Dawleyラットを普通食群(C群)、60%高フルクトース食群(F群)、F+運動群(EX群)、F+NAC(800mg/kg/day)投与群(NAC群)、F+B6(60mg/kg/day)投与群(B6群)、F+運動+NAC併用群(EX+NAC群)、F+運動+B6併用群(EX+B6群)5群に分け,8週間治療した。EXは速度20m/分の連続走行を1回60分間,1週間に5回行った。8週間の処置期間終了前に、7群のラットに対して多階段トレッドミル運動負荷試験により運動耐容能を評価した。絶食食後尾動脈血中インスリン濃度と血糖によって計算したHOMA-RによりISを評価した。DPPIV-AP染色を行い長趾伸筋の毛細血管密度を検討した。また、24時間尿中H2O2排泄量により酸化ストレスを評価した。(結果)C群に比較して、F群の血圧の上昇、運動耐容能とISの低下及び骨格筋毛細血管密度の減少を認めた。F群に比べEX、NAC、B6群の血圧、運動耐容能とISは有意に改善された。EX+NAC群、EX+B6群の運動耐容能とISはEX、NAC、B6群に比較してさらに改善された。全てのグループのデータについて、運動耐容能の指標である最大行走距離とISの指標であるHOMA-R値は骨格筋毛細血管密度の間にそれぞれで有意な相関が認められた。しかし、24時間尿中H2O2排泄量は7群の間に有意な差が見られなかった。(結論)高フルクトース食非肥満メタボリック症候群モデルおいて、運動耐容能とISの低下が認められた。EX、NAC、B6による持久力増強作用及びインスリン抵抗性改善作用を明らかになった。また、AGE抑制薬と運動併用による介入が運動耐容能ならびにISの改善の視点からそれぞれ単独より優れている可能性が示唆された。さらに、NAC、B6と運動の各々単独並びに併用した場合の持久力増強作用及びインスリン抵抗性改善作用は少なくとも一部骨格筋毛細血管密度の増加を介してもたらされることが示唆された。
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