2009 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脊髄損傷後の機能的神経筋電気刺激治療モデルの確立
Project/Area Number |
21700534
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寒竹 司 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (30464324)
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Keywords | 脊髄損傷 / 機能的電気刺激 / リハビリテーション |
Research Abstract |
脊髄損傷後の有効な運動機能の改善には,単独の治療では限界があり,有効な治療を組み合わせた併用療法が必要である。有効なリハビリテーションは脊髄再生治療後の神経機能の再構築を促す治療として期待されている。機能的神経筋電気刺激(Functional Neuromuscular Stimulation : FNS)治療の有効性は,臨床的にも報告されているが,詳細な機能改善メカニズムは不明であり,また脊髄再生治療と併用した場合の治療効果についても不明である。私たちはその解析,さらに脊髄再生治療との併用療法の効果について検討するため,ラットFNS治療モデルの確立を目指している。昨年度は正常ラットを使用し,経皮的な針電極を使用したFNS治療モデルを作成し,三次元動作解析による評価を行った。刺激筋には足関節の主動筋である前脛骨筋,腓腹筋を選択し,過去の実験データから算出した歩行刺激条件で,歩行のリズムで刺激を行った。針電極が筋肉のモーターポイント近傍の至適位置に挿入されているか評価するため,強さ時間曲線を作成した。強さ時間曲線からは,各筋ともに至適位置に電極が挿入されていることが確認された。刺激は15分間行い,刺激中の足関節角度を三次元動作解析によって算出した。三次元動作解析による足関節角度の可動域は,筋疲労によると考えられる経時的関節可動域の減少は認めたが,良好な関節可動域がえられていた。本研究から正常ラットにおいて,針電極を使用した足関節の歩行リズム刺激が可能であることが証明された。本研究の成果は2009年のシカゴ(米国)で行われたNeuroscience学会においても発表した。
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