2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脊髄損傷後の機能的神経筋電気刺激治療モデルの確立
Project/Area Number |
21700534
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
寒竹 司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30464324)
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Keywords | 脊髄損傷 / 機能的電気刺激 / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成22年度は平成21年度に得られた正常ラットでのデータを基に,脊髄損傷ラットでのFNS治療実験を行った。まずは脊髄圧挫損傷作成装置(IHインパクター)を使用して,150kdyneのForceで中程度の脊髄圧挫損傷を作成した。1週間の安静の後に,FNS治療を行った。まずは短期での治療効果を評価するため,受傷後1週間目から15分/日,3日間治療を行った群(n=5)と,損傷コントロール群(n=5)の2群で比較した。FNS治療に際しては,より臨床に近い形で行うため,覚醒状態での刺激を行った。刺激条件は正常ラットと同様に過去のトレッドミル歩行の筋電図のデータを参考に算出した。運動機能の評価は,BBBスコアと損傷2週間後のトレッドミル上での三次元動作解析を行って評価した。BBBスコアは最初の1週間は毎日測定し,その後は2週後に測定した。刺激中の足関節の関節可動域は筋疲労によると考えられる経時的な減少は認めたが,正常ラットと同様に良好なリズミック運動に成功した。BBBスコアの推移から中等度の脊髄不全損傷に成功したと考えられ,損傷後2週間後のBBBスコアの比較では,何れの時点でも両群間で有意な差は認めなかった。損傷2週間後に行った3次元動作解析による後肢共同運動,接地の位相等のより詳細な運動機能の評価結果の解析については,現在進行中であるが,FNS治療群で損傷コントロール群に比較して改善傾向を認めている。この結果は国内学会,国際学会で報告した。
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