2010 Fiscal Year Annual Research Report
栄養評価による廃用症候群のリスク管理と機能訓練プログラム
Project/Area Number |
21700546
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
若林 秀隆 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80508797)
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Keywords | リハビリテーション / 栄養学 |
Research Abstract |
入院患者における廃用症侯群の低栄養の有無と原因を検討した。対象は2010年4月から11月に当院リハ科に併診があり、リハ科医師が廃用症候群と診断した入院患者127人。平均年齢72.6歳、男性79人、女性48人。入院から併診まで平均22日。訓練開始場所はベッドサイド73人、機能訓練室54人。リハ科併診時の栄養状態をMNA-SF(Mini Nutritional Assessment)で評価した。低栄養の原因は、飢餓(1日エネルギー摂取量がHarris-Benedict式の基礎エネルギー消費量以下)侵襲(急性疾患や手術などの有無)、前悪液質(悪液質の原因となる慢性疾患の存在、6ヶ月以内に5%以上の体重減少、慢性・再発性の全身炎症反応、食思不振の4項目全てに該当)に分類して評価した。栄養投与経路、BMI、ヘモグロビン、アルブミン、総リンパ球数、小野寺の栄養学的予後指数(PNI)も評価した。 MNA-SFでは107人(84%)が低栄養、20人(16%)が低栄養の恐れありで、栄養状態良好は0人であった。飢餓を57人(45%)、侵襲を107人(84%)、前悪液質を37人(29%)に認めた。栄養投与経路は経口摂取78人、経管栄養30人、静脈栄養80人。各平均値はBMI20.7、ヘモグロビン9.52、アルブミン2.61、総リンパ球数935、PNI30.7であった。訓練開始場所による低栄養の有無と原因の違いに有意差を認めなかった。 以上より廃用症候群の入院患者の多くは低栄養で、低栄養の原因として侵襲が最も多かったが、飢餓や前悪液質も少なくなかった。訓練開始場所にかかわらず、廃用症候群のリハでは低栄養の考慮が必要である。平成23年度は前向きコホート研究のデータ分析を行う予定である。
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