2011 Fiscal Year Annual Research Report
栄養評価による廃用症候群のリスク管理と機能訓練プログラム
Project/Area Number |
21700546
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
若林 秀隆 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (80508797)
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Keywords | リハビリテーション / 栄養学 |
Research Abstract |
低栄養が廃用症候群入院患者のADLの予後に影響を与えるか検討する。対象は2010年4月から2011年3月に当院リハ科に併診があり、リハ科医師が廃用症候群と診断した65歳以上の入院患者176人。リハ科併診時の栄養状態はMNA-SF(Mini Nutritional Assessment-Short Form)、BMI、ヘモグロビン、アルブミン、総リンパ球数、CRPで評価した。ADLはBarthel Indexをリハ開始時と終了時に評価した。ADLの予後は改善(Barthel Index点数がリハ中に増加)と不変・悪化の2群に分類した。リハ科併診時のMNA-SF、BMI、検査値とADLの予後をマンテル検定で検討した,結果は平均年齢78.6歳、男性102人、女性74人。入院から併診まで中央値13日。併診から退院まで中央値20日。訓練開始場所はベッドサイド123人、機能訓練室53人。MNA-SFでは153人(87%)が低栄養、23人(13%)が低栄養のおそれありで栄養状態良好は0人。Barthel Indexの中央値はリハ開始時37.5点(5、57)、終了時56(26.5、77)点で、ADLの予後は改善95人、不変・悪化81人であった。MNA-SFの得点が低いほどADLの予後が悪い傾向にあったが、統計学的有意差は認めなかった(カイ2乗値3.26、p=0.07)。BMIが低いほどAPLの予後が有意に悪かった(カイ2乗値4.65、p=0.03)。ヘモグロビン、アルブミン、総リンパ球数、CRPとADLの予後には統計学的有意差を認めなかった。MNA-SFとBMIに強い相関を認めた(r=0.70、p<0.001)。廃用症候群入院患者の大半は低栄養であり、低栄養の中でもMNA-SFの得点が低いほどADLが改善しにくい可能性がある。廃用症候群ではリハと同時に適切な栄養管理の実施が重要と考える。
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