2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中急性期におけるATMTを用いた高濃度酸素吸入下遂行機能賦活
Project/Area Number |
21700549
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 信幸 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (60328325)
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Keywords | 高次脳機能障害 / 脳卒中 / リハビリテーション / ATMT / APT |
Research Abstract |
【目的】注意を要するタスクの頻回負荷により実際の注意力を向上させるAttention Process Training (APT)は汎化されないという意見もある。しかし脳卒中発症早期のような刺激の少ない受動的環境では、注意責任部位を賦活し前頭葉神経ネットワークを維持することだけでも意味があり、その後の改善に影響を及ぼすと考えられる。我々はTouch Panel Pc式のAdvanced Trail Making Test (ATMT)を用いて、従来のTrail Making Test (TMT)-A様課題を脳卒中発症早期の患者に頻回負荷し、それが領域特異的でなく他の前頭葉系テスト成績にも影響を及ぼすかどうか調査した。【対象】脳卒中発症2週間以内の意識清明で失語症状がなく指示に従える患者35名。【方法】全対象に従来のTMT-A/B、Word Fluency Test (WFT)、Stroop Testを施行。その後対象を無作為にAPT施行群20名と対照群15名に分け、APT施行群には通常のリハビリに加え週5日ATMTを施行。1週間後、再び全対象にTMT-A/B、WFT、Stroop Testを施行し、二群間で成績改善率に差があるか検討した。【結果】ATMTはTMT-Aに類似したタスクであるにも関わらず、APT施行群ではTMT-Aのみならず他の全てのテストの成績改善率が高く、特にStroop Test誤反応数については高い有意差をもって改善を認めた。 【考察】Touch Panel PCを用いたATMTは利き手や麻痺側に関係なく施行可能であり、出題はランダムであるため従来の紙ベースTMTと違い連続使用も可能である。TMT-A以外の前頭葉系テスト成績改善を認めたのは本負荷によるAPTが領域特異的効果だけではない可能性を示唆する。今後のゲーム性も高く短時間で施行可能で、扱いも簡便であるため、脳卒中急性期におけるAPTに適していると考えられた。
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Research Products
(1 results)