2009 Fiscal Year Annual Research Report
転倒予防のための自転車運動を用いた新しいトレーニング方法の開発
Project/Area Number |
21700555
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
越智 亮 Seijoh University, リハビリテーション学部, 助教 (60410891)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 敏捷性 / 自転車運動 |
Research Abstract |
近年の高齢社会において,日常生活での転倒予防は重要な課題の一つである.前方への転倒のきっかけ(つまずき等)が生じた後,転倒を予防するためには,下肢を素早く踏み替え,下肢を前に踏み出すステップ動作が必要となる.本研究課題では,このステップ動作の機能改善と下肢の敏捷性向上に対し,自転車を用いた最大速度ペダリング運動が効果的に作用すると考え,65歳以上の高齢者を対象として次の1),2)について検証した.1)最大速度ペダリング運動が高齢者10名の下肢の敏捷性に与える効果.5週間の最大速度ペダリングトレーニングとその後5週間の脱トレーニング期間の前後に運動機能テストと,表面筋電計を用いた高速ペダリング動作時の下肢筋活動パターンを測定した.その結果,トレーニング期間後に,下肢を素早く踏み替える敏捷性や動的バランスの機能が11.4~19.3%向上し,さらに高速ペダリング動作時の下肢筋活動パターンにおいて筋活動開始と休止の切り替えが素早く円滑に行われるようになったことが観察された.一方,脱トレーニング期間後は,先にみられた敏捷性や動的バランス機能がトレーニング前の値に戻ったことを認めた.高齢者では下肢の敏捷性は比較的早期に改善するものの,その効果は即座に低下する可能性があることが明らかとなった.2)最大速度ペダリング運動が高齢者のステップ動作の機能に与える効果.高齢者6名を対象に,5週間の最大速度ペダリングトレーニング前後に,背部を牽引した状態で身体を前傾させておき,牽引が離れた瞬間から下肢を一歩前に踏み出すステップ動作を,表面筋電計などを用いて評価した.その結果,ステップ動作の反応時間や踏み出し速度の向上が認められた.現在,トレーニング後に得られた自転車運動の下肢筋活動パターンの変化とステップ動作時の下肢筋活動パターンの解析をすすめている.
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Research Products
(4 results)