2011 Fiscal Year Annual Research Report
萎縮筋における機械刺激による収縮機能改善のメカニズム解明
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21700558
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
笹井 宣昌 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (20454762)
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Keywords | 筋萎縮 / 機械刺激 / 収縮機能改善 / シグナル伝達 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究は、廃用性に萎縮した骨格筋における萎縮・収縮力の回復に、機械刺激が有効であることを細胞・分子レベルで明らかにすること目的とする。動物モデルに加え、培養骨格筋細胞を用いることで、個体・組織における現象のみならず、刺激に対する細胞・分子の応答メカニズム(細胞内シグナル)をも解明することに挑むものである。 前年度までに、ラット除神経筋萎縮モデルや、トリ骨格筋初代培養細胞の他動的伸張刺激による肥大モデル用いて、組織化学、細胞生物学、生化学の検出系を確立した。これらの筋萎縮や筋肥大と、細胞内シグナルPI3K/Akt/TOR経路の関連が示唆された。さらに前年度より、廃用性筋萎縮モデルとしてより適切な尾部懸垂マウスを導入した。本マウスの下肢筋(長指伸筋、ヒラメ筋など)の湿重量は、先行研究と同様に、概ね1週間の尾部懸垂(廃用)で顕著に減少した(筋が萎縮した)。追加の1週間で、さらに減少するものの変化量が小さかった。 今年度より、マウス筋線維の横断面積を、筋線維タイプ別に詳細に解析することに着手した。サンプル処理・解析プロトコールの概略が定まった(データ取得・解析中)。 さらに尾部懸垂期間中に、短時間の再荷重をさせる群を導入した(データ取得・解析中)。どの程度の再荷重量で、萎縮が抑制できるのかという点は、臨床へのつながりを特に強く感じる。尚マウス筋について、今後、筋張力との関連にも展開したいと考えている。 一方、培養筋細胞の他動的伸張による肥大とPI3K/Akt/TOR経路の関連に迫った。この関連について、世界的に意見が分かれている。薬理的阻害実験を実施した(データ取得・解析中)。 また培養筋細胞への刺激入力を、生体の筋収縮に近づけるため、電気刺激を採用した。これまでの伸張刺激条件を参考にすることで、安定した筋肥大の実験系を作成できた。この系の細胞内シグナル解明に着手したところである。
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