2009 Fiscal Year Annual Research Report
海馬型ニューラルネットに基づいた筋電義手のための動作推定システムの開発
Project/Area Number |
21700576
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
末光 厚夫 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 助教 (20422199)
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Keywords | 医療・福祉 / 脳・神経 / 生体機能代行 / 筋電義手 / ニューラルネット |
Research Abstract |
本研究では,使用者の意図に近い動作をさせることが可能な使い勝手の良い筋電義手の開発を目指して,応募者らが提案した海馬型ニューラルネットを基に,悲侵襲的手法によって計測した脳活動および腕の表面筋電位から使用者の意図した手・腕の動きをより正確に推定するシステムの開発を目的とする.1年目は主に,実際にプロトタイプとなるシステムを構築し,数名の健常者を対象として,計測した表面筋電位信号を用いて手・腕の動作を推定する実験を行った.具体的な成果は次の通りである.(1) 非常に少ないサンプルを学習するだけで(1動作につき2~3サンプル),6動作を約98%の高い正答率で識別でき,同時に約76%の正答率で手・腕の動作速度を3段階に推定できる.(2) センサは主要な筋肉付近に大まかに貼付すれば良く,センサの数は冗長であっても(必要以上にセンサを取り付けても)問題ない.(3) 使用者が事前にシステムを使うための訓練を行う必要はなく,サンプルを収集する際にも識別する動作以外の特別な動作を行う必要はない.(4) 体調や気候の変化による影響はほとんどない.また,疲労やセンサの位置ズレに対して頑強である(2時間程度センサを付け続けた状態でも精度にほとんど影響ない).(5) 複雑な前処理をする必要がなく,動作推定部の計算量も多くないため,リアルタイムに動作識別が可能である.(6) 動作に依存した特徴抽出を行っていないため,新たな動作も容易に学習・識別することができる. 一方,上記と並行して脳活動を利用した手・腕の動作推定システムの開発も進めている.アーチファクト,再現性,時間分解能の問題を解決するための信号処理手法およびシステムにおける動作推定部の構造と学習方法を決定するためにデータを収集中である.
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