2010 Fiscal Year Annual Research Report
物理療法による下肢血流の改善は高齢者の活動量およびQOLに影響を及ぼすか?
Project/Area Number |
21700578
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 久恵 名古屋大学, 医学部, 助教 (80444404)
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Keywords | 介護予防 / 末梢循環障害 / 過熱水蒸気 |
Research Abstract |
今年度は、血流低下に伴う下肢症状を呈する高齢者を対象とした前向き介入試験によって、過熱水蒸気および間歌的空気圧迫を併用した物理療法による下肢血流改善効果を調査し、その波及効果として活動量ならびにQuality of life (QOL)の変化を測定した。 対象者は、研究の概要を明記したリーフレットを地域住民に配布し、はがきにて研究参加の希望を提出した者とした。研究参加希望者に対し、スクリーニング検査を実施し、1)足部に潰瘍・創傷を認める者、2)医療機関で治療が必要な血管病変を有する者、3)骨・関節疾患による歩行障害を有する者、4)転倒リスクが高い者を除外した。適格基準を満たす39名をGroup1[週3回,15分間加温・圧迫実施]、Group2[週3回,20分間歩行実施]・Group3[通常通りの生活]に無作為に割付けた。4週間の介入および追跡前後で、下肢末端の血流・温度測定、加温・圧迫刺激に対する反応性(血流応答)、QOL評価、活動量を測定した。 Grouplでは、介入後に加温・圧迫に対する血流応答の改善がみられ、安静時足背部皮膚温の上昇が確認された。QOLについては日常役割機能身体(RP)と活力(VT)の有意な上昇がみられた。Group2・Group3では血流応答・QOLに有意な変化は見られなかった。また活動量についてもすべての群で有意な変化は見られなかった。 以上の結果より、週3回4週間、15分間の加温・圧迫を継続することによって、足趾及び足背部の血流応答および足背の皮膚温が改善することが確認された。また波及効果としてはQOLのRPおよびVTの改善が確認されたが、活動量については有意な改善は見られなかった。
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Research Products
(5 results)