2009 Fiscal Year Annual Research Report
容量性結合電極を用いた多チャンネル表面筋電図インターフェースの開発
Project/Area Number |
21700587
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
中村 英夫 Osaka Electro-Communication University, 医療福祉工学部, 講師 (40411475)
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Keywords | 多チャンネル表面筋電図 / 容量性結合型電極 / 入力インターフェース / 神経-筋系 / 運動単位 / 発火活動様式 / 伝導速度 |
Research Abstract |
本年度は表面筋電図によるPC等の入力インターフェースシステムを多チャンネル化するための基盤技術の整備と容量性結合電極の特性を定量的に検討するために必要な回路モデルの製作を実施した. 多チャンネルをマトリックス状に配した銀電極を乗せた回路基板を製作した.実際に,製作した多チャンネル電極を用いて多チャンネル表面筋電図を記録することに成功した.また,得られた多チャンネル表面筋電図を処理・分類することで筋-神経系活動を計測するための手順やシステムを開発した。開発したシステムにより,上腕二頭筋を対象として神経-筋系の信号を検出することが可能となった.運動単位が発生する活動電位を表面筋電図の波形から分類し,その発火活動様式を計測する手法を確立した.また,その活動電位の発火時刻をもとにして表面筋電図を多チャンネル化した空間的特性から活動電位が筋線維上を伝播する速度の推定を行うための方法の開発にも成功した.今後,表面筋電図をインターフェース化するために,生理的信号のどのような特徴量を利用して入力信号とすべきか検討するための基盤を作り上げたといえる. 容量性結合電極を用いて生体信号を計測するために技術的な課題を定量的に検討するために容量性結合電極の実際のハードウェア回路モデルを製作した.実際の実験により,空気中において電極間距離が1cm以上でも信号を検出することが可能であることが結果により示された.ただし,現在のところ電極を銅板による簡易な回路モデルを構成している.実際の生体電気信号は,環境雑音より低い振幅の電位を計測しなければならない.現回路モデルでは,その点を表現しきれておらず,より生体の状態に近づけたモデルの製作を平成22年度の研究において実施する予定である.
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