2009 Fiscal Year Annual Research Report
色刺激を使用した視覚誘発型BMIによる使用感および入力精度の向上に関する研究
Project/Area Number |
21700590
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
高野 弘二 Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities, 感覚機能系障害研究部, 流動研究員 (00510588)
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Keywords | ブレインマシンインターフェイス / 視覚刺激 / てんかん |
Research Abstract |
視覚刺激誘発型BMIの実用化に向けて、従来のものと比較して操作感の良い刺激について検討を行なった。 刺激の種類としては従来、輝度の変化で刺激提示を行なっていたところに、緑/青の色の変化を利用して実験を行なった。この色の組合わせはてんかんに関連する先行研究において、棘波の発生頻度が最も低いものであり、使用感と安全性の向上を期待し、この刺激を選択した。 実験条件としては輝度のみ(L条件)色刺激のみ(C条件)輝度と色(LC条件)の3種類を使用し、BMIによる15文字の文字入力を実験として行なった。結果としてL条件とC条件においては精度の差は無く、LC条件では他の2条件と比較して有意に高い精度となった。 次にL条件とLC条件でBMIによる15回の機器操作を実験として行ない、その際、被験者に使用感についてVisual Analogue Scaleを用いた評価を依頼した。その結果、使用感についてもLC条件が有意に高く、精度についても文字入力の際と同様にLC条件が有意に高かった。 これらのことから緑/青の視覚刺激を利用することで使用感と精度の向上が行なえることが示された。色変化を加えることは他の視覚刺激誘発型BMIにおいても容易に行なえることから、汎用性も高い。 当初は使用感と安全性の向上は刺激の弱さから生じると仮説を立てて実験を行なったため、使用感の向上については想定通りと言える。現在はこのような結果が生じた原因について、同様の刺激を提示した際の脳活動についてMEGを使用して調査を始めている。今後もこの研究を進めていくことで、より使用感がよく、高精度なBMI機器の開発の足掛りになると考えられる。
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