2010 Fiscal Year Annual Research Report
色刺激を使用した視覚誘発型BMIによる使用感および入力精度の向上に関する研究
Project/Area Number |
21700590
|
Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
高野 弘二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所脳機能系障害研究部, 流動研究員 (00510588)
|
Keywords | ブレインマシンインターフェイス / 視覚刺激 / てんかん / 脳磁図 |
Research Abstract |
前年度は視覚刺激誘発型BMIの実用化に向けて、従来のものと比較して操作感の良い刺激について検討を行なった。その結果として緑/青の視覚刺激を利用することで使用感と精度の向上が行えることが示された。色変化を加えることは他の視覚刺激誘発型BMIでも容易に行なえることから、汎用性も高い。当初は色刺激が輝度刺激と比較して弱い刺激であることから使用感と安全性が向上すると仮説を立てて実験を行なったため、使用感の向上については想定通りと言える。しかしながら、それだけでは精度の向上については説明がつかない。 そこで同様の刺激提示時の脳活動について脳磁図を用いて計測、解析を進めた。まず、脳磁図のセンサー位置をベースに解析を行い、刺激の種類を問わず後頭の視覚に関連する部位が両側で同期していることがわかった。さらにその同期の強度が輝度変化と比較して、色変化の際に有意に高いことを示した。しかしながら、脳磁図はセンサーと脳の部位の具体的な位置関係が明確でないため、具体的な位置を絞りこむことが困難であった。そこで脳磁図のセンサー位置を基準とした解析から、空間を基準とした解析について検討を始めた。これにより色刺激を使用した場合に有意に活動する具体的な脳部位が同定可能となる。現在のところ、センサーベースでの結果を元に脳活動の周波数帯を絞り込み調査を行ない、色変化の際に有意な同期が観察されつつある。 このことから、輝度刺激に対して色変化の刺激を利用することでより広汎な領域での活動および同期が生じることで、BMIとしてより高い精度が生じたものと考えられる。現状我々の研究室で行っているBMIの判別手法では複数脳波チャンネル間での同期については考慮していないことから、今回得られた結果を元に判別手法を加えることで精度の向上が期待される。
|