2010 Fiscal Year Annual Research Report
完全主義傾向の検討および心理的スキルトレーニングの効果
Project/Area Number |
21700623
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
荒木 香織 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30409700)
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Keywords | 完全主義傾向 / メンタルトレーニング / スポーツ |
Research Abstract |
研究2:構成観念妥当性及び予測的妥当性の確立と尺度の完成 1.平成21年度研究2のつづき:一般化可能性の検証を続けながら、尺度を完成させていくことをねらいとした.21年度の成果から完全主義傾向には競技レベルが関係することが判明した。よって22年度は、国際レベル、全日本レベルを含む競技経験のレベルの高い対象者を中心として調査を行った。研究2において項目数が十分でない下位尺度については、項目を書き換えるなど手直しを加えた。スポーツ完全主義尺度を5つの下位尺度「高い基準」、「相違感」、「失敗をおそれる」、周りからの期待」、「周りからの評価」を含む全31項目で構成した。大学生358名を対象に構成概念妥当性の検証を行った。Maximum likelihood factor analysis (ML)のvarimaxローテーションによりファクターを4と限定し解析を行った.結果、4つのファクターは見つかったが、予測される下位尺度にあてはまらなかった項目を削除した.次に、Maximum likelihood factor analysis (ML)のpromaxローテーションによりファクターを4と限定し解析を行った,その結果4つのファクターによる38.67%の全分散が認められた.全ての項目は予測される下位尺度に当てはまった.最後に下位尺度の信頼性を検討し、24項目の尺度が完成した.下位尺度数およびα係数は以下の通りである.高い基準(n=9,α=.89)、相違感(n=3,α=.58)、失敗をおそれる(n=5,α=.67)、周りからの期待(n=3,α=.68). 2.外的妥当性及び予測的打倒性の確立:多次元完全主義認知尺度(小堀・丹野、2004)、自己志向的完全主義尺度(大谷・桜井、1995)、ACSI-28、および独自に作成した尺度を使用し調査を行った。結果、すべての尺度の信頼性および外的妥当性の確立をすることができた。また、一般的な完全主義傾向とスポーツの場面における完全主義傾向に違いがあることが判明した。今後も引き続き妥当性の確立について研究をすすめる。
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