2011 Fiscal Year Annual Research Report
完全主義傾向の検討および心理的スキルトレーニングの効果
Project/Area Number |
21700623
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
荒木 香織 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30409700)
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Keywords | 完全主義傾向 / スポーツ / スポーツ完全主義尺度 |
Research Abstract |
予測的妥当性の確立及び尺度の完成 22年度に完成した尺度を使用し大きく2つの調査を行った.研究1においては、ラグビー選手の完全主義傾向と心理的スキルの関係について調査した.研究2においては、完全主義傾向を図る尺度の妥当性を確立するとともに、社会志向性を含む達成動機との関係について調査した. 1.ラグビー選手の完全主義傾向と心理的スキルの関係について:358名の大学男性ラグビー選手(年齢m=19.55歳)を対象とし、完全主義傾向と心理的スキルの関係について調査した.完全主義傾向を図るため.スポーツ完全主義尺度31項目版を使用した.また、心理的スキルを図るため、Athletic Coping Skills Inventory-28(ACSI-28:Smith et al.,1995)の日本語版を使用した.28項目を7つの下位尺度に分類し、選手の心理的スキルを評価した.また、MPS(Sakurai&Otani,1997)及びHMPS(Hewitt&Flett,1991)を使用し、ポジティブとネガティブの完全主義傾向の分類についても調査した.結果、ポジティブな傾向は、高い基準(n=9,α=.88)、と周りからの期待(n=3,α=.65)、そしてネガティブな傾向は相違感(n=3,α=.60)及び失敗をおそれる(n=7,α=71)で構成した,ポジティブな完全主義傾向は、目標設定、メンタル的な準備自信、及び達成動機と有意に関係を示した.また、ネガティブな傾向は不安を制御するスキル、注意集中力、そしてコーチの教授を受けるスキルが低いことと有意に関係を示した. 2.大学生アスリートの完全主義傾向と達成動機との関係について:平均年齢19.8歳の大学生アスリート226名(女性n=92、男性p=134)を対象とした.アイススケート、硬式野球、サッカー、水泳、ソフトテニス、バスケットボール、陸上競技の合計7種目を対象とした.達成目標志向性を測る尺度としてSport Orientation Questionnaire日本語版(SOQ:Araki,Toji,&Nishigaki,2009)を用いた.完全主義傾向を測る尺度としてSport Perfectionism Scale-Japanese(SPS-J;Araki,2011)を用いた.社会目標志向性を測る尺度としてSocial Motivational Orientations Scale for Sport日本語版(SMOSS:Allen,2003)を用いた.正準相関分析を行った.結果、高い基準、失敗を恐れる、及び周りの期待が低いとき、社会承認志向性、自我目標志向性、及び課題目標志向性も低くなる関係が明らかとなった(variance31.92%).また、相違感及び失敗を恐れることが高いとき、自我目標志向性が高く、課題目標志向性が低くなる関係が明らかとなった(variance9.49%). スポーツ完全主義尺度の完成:合計29項目、ライカートスケール1(全く当てはまらない)-5(非常に良く当てはまる) 下位尺度・項目数・信頼度(α):高い基準7項目.82、相違感5項目.69、失敗をおそれる8項目.75、周りの期待9項目.82
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