2010 Fiscal Year Annual Research Report
100kmマラソン中のレースペース変動と血糖変動の関係
Project/Area Number |
21700625
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仙石 泰雄 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教 (30375365)
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Keywords | ウルトラマラソン / レースペース / 血糖変動 / エネルギー摂取 |
Research Abstract |
2010年に開催された鶴沼ウルトラマラソン100kmの部とサロマ湖100kmウルトラマラソンに出場したランナー計5名を対象に連続血糖測定器を用いて100kmマラソン走行中のレースペース変動と血糖変動の関係およびレース中のエネルギー摂取内容を分析した。 本研究で特筆すべき研究成果は,鶴沼ウルトラマラソンを6時間51分17秒で完走した一流ランナーの血糖変動を測定できたことである.同レースを8時間56分04秒で完走した中級ランナーと比較して,一流ランナーはより低いレースペース低下率を示し(17.6% vs 27.2%),前年度の100kmマラソンレースペース分析結果と同様の傾向が認められた.また,中級ランナーは,レース後半で急激な血糖値の低下が観察されたが,一流ランナーは血糖値が低下し始めた段階で100kcalを超えるエネルギー摂取を適時行うことで急激な血糖値の低下を抑制していることが認められた.一流ランナーは,急激な血糖値の低下を抑制して100kmマラソンを走行していたものの,レース中に摂取した総炭水化物量は中級ランナーより低値を示した(249g vs 366g).尚,レース前に測定した乳酸性作業閾値(LT)の走速度を基準としたレース中の相対的運度強度は,一流ランナーと中級ランナーにおいてそれぞれ90%LTと78%LTであった.これらのことより,100kmマラソンレースにおいて7時間を切る高いレースパフォーマンスを達成するためには,一定のレースペースを高い運動強度で保つ能力が必要であり,レースペースの維持には適切なタイミングでエネルギーを補給することによる走行中の血糖値の急激な低下の抑制が関与している可能性が示唆された. 2010年サロマ湖100kmウルトラマラソンは28度を超える環境で実施され,高温環境下におけるレースではレースペース変動と血糖変動の間に関連性が認められなかった.
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Research Products
(2 results)