2009 Fiscal Year Annual Research Report
サッカー指導現場におけるコーチングが選手に与える影響
Project/Area Number |
21700638
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Research Institution | Eichi University |
Principal Investigator |
中村 泰介 Eichi University, 人間文化共生学部, 助教 (30454698)
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Keywords | サッカー / コーチング / 運動イメージ / フランスサッカー |
Research Abstract |
今年度は、「ことばの捉え方(特に「パス&ゴー」の指導用語に着目)」に関するプリテストを中高生及び中高生の教員、指導者を対象に実施し、その結果を日本教育学会で報告した。調査からは、指導用語(以後コーチングとする)の捉え方に関して、発する側(教員、指導者)と受け取る側(生徒、選手)との間には若干の「ズレ」があることが明らかとなった。これは、とりわけサッカーの指導現場において、指導する側のコーチングに内包される運動イメージと、そのコーチングを受け取る側のそれとでは、必ずしも一致するとは限らない、ということに示唆を与えるものであった。その結果を受けて、本研究の柱の一つである西洋文化圏のサッカーコーチングの調査をフランスI.N.F(国立サッカー学院)にて実施した。調査内容は、フランス育成年代において「passeetva, passe et suit, passe et cours(=パス&ゴー、パス&ムーブ)」のコーチングがどのようにイメージされ(指導者及び選手に)、どのように指導、コーチングされて、そして実際の流動的なプレーに繋がっているのか、という視点から主に(1)育成コーチへの聞き取り調査、(2)トレーニングの調査、(3)選手への「passe et va」(その他)に関するアンケート調査、の以上を実施し、(1)では、直接的に「passe et va」のプレーに繋がるコーチングではなく、結果的にそのプレーとなるようなコーチングが重要である、という点を明らかにし、(2)ではI.N.Fの実際のトレーニングではより実践的なプレー(実際の試合)が常にイメージされている(調査者の視点)、或いは当然のこととしてプレーされている、(3)では、アンケート調査からみるI.N.F所属選手のイメージは、各年代で若干異なってはいるものの、特に次のプレーに「直接関わっていくのか」、「間接的にかかわっていくのか」、「次のプレーの直後に再度かかわっていくのか」、という視点でコーチングが捉えられていたことが明らかになった。以上から、I.N.Fでは日本語にあたる「パス&ゴー」、「パス&ムーブ」のコーチングを次のプレーにどのように関わっていくのか、という点を常時イメージし指導或いはプレーされていると考える。来年度はブラジルにて同様の調査を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)