2010 Fiscal Year Annual Research Report
サッカー指導現場におけるコーチチングが選手に与える影響
Project/Area Number |
21700638
|
Research Institution | 聖トマス大学 |
Principal Investigator |
中村 泰介 聖トマス大学, 人間文化共生学部, 助教 (30454698)
|
Keywords | サッカー / コーチング / 運動イメージ |
Research Abstract |
本研究は、サッカー競技において、身体動作を修得する際に技としてはたらく「コーチング(レトリック)」をフランス、スペイン、日本の文化圏をフィールドとして、同じ表現を用いた際に、どのような運動イメージとして身体動作の担い手に伝達され、そしてそれが実際の運動の軌跡となるのか。その一連の様態を調査し、コーチングが与える影響を3つの文化圏で比較検討し、コーチング法に新たな知見を得る試みである。 今年度は、前年度に引き続き、スペインサッカーリーグSevillaFCにて現地調査を実施した。調査の主な内容は、SevillaFC育成年代において「パス&ゴー、パス&ムーブ、パス&ラン(=pass y va, pass y mueve, pass y corre)」のコーチングがどのようにイメージされ(指導者及び選手)、そしてどのように指導、コーチングされて、そして実際の流動的なプレーに繋がっているのか、という視点より主に(1)育成コーチへの聞き取り調査、(2)トレーニングの調査、(3)選手への「パス&ゴー」、「パス&ムーブ」、「パス&ラン」に関するアンケート調査、の以上を実施した。(1)では、「メンタルスピード」と速い戦術の中で使える「テクニック」が重要である点を、(2)SevillaFCの実際のトレーニングでは、速い攻撃スタイル(=流動性)が常にイメージされており、またその戦術の中で必要となる「テクニック」がトレーニングされている点を、(3)アンケート(運動イメージを「言語」という形式で抽出)からみるSevillaFC所属選手の運動イメージからは、個人ではなく「集団」として「パス&ゴー」する、させる運動イメージが有る点を明らかにした。これは常にSevilla特有の速い攻撃スタイル(=戦術)が共有イメージとして存在し、その中で個の動きがどうあるべきかが日頃よりコーチングされているからであると考える。さらに日本で調査を実施し、三つの文化圏のコーチングを比較検討していく。
|
Research Products
(4 results)