2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700649
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
谷所 慶 Osaka University of Economics, 人間科学部, 講師 (80455443)
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Keywords | スポーツタレント / 発掘・育成 |
Research Abstract |
現在日本の各自治体において、スポーツタレント発掘・育成(以下TID)事業が実施されている。本研究は各事業のシステムを調査し、その評価選考方法や育成プログラムについて比較することを目的とする。調査内容は、事業主催および拠点、財源、特徴、選考・評価・育成プログラム、現時点での成果、今後の課題、等の項目である。今回は、種目非特化型の福岡県と和歌山県における事業の主な項目について報告する。 福岡県では県立スポーツ科学情報センターと県体育協会が実施しており、教育委員会は共催として関与している。主な拠点は県立スポーツ科学情報センターであるが、占有しているわけではなく、外部会場を積極的に使用している。財源については平成2年の福岡国体の際に生じた余剰金をもとに基金を設立し、その運用益が事業費に用いられている。福岡県の主な特徴は、小5から中3までの一貫育成プログラムと、医科学センターを併設した拠点をもっていることであり、これは選手育成の面でも大きな利点となる。年々応募者数が増加しており、平成21年度の応募者数は約2万人となっている。またジュニアレベルでの国際大会や全国大会に出場する児童も輩出している。 一方和歌山県では、県教育委員会が主として実施しており、県体育協会や和歌山県スポーツ振興財団が共催としてかかわっている。主な拠点は特に定めておらず、県内全域の体育施設を使用している。財源は全てが県費(教育委員会予算)である。主な特徴は、中学以降の競技種目選択に際し、強化体制の整った中学へ進学できるよう学区が弾力化されていることである。また直接児童に対して食育プログラムを行っており、教育的な側面も強い。未だ競技的な実績は少ないものの、県内における事業認知度はほぼ100%であり、県競技団体や保護者の参加意欲も非常に高い。
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