2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700649
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
谷所 慶 大阪経済大学, 人間科学部, 准教授 (80455443)
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Keywords | スポーツタレント / 発掘・育成 |
Research Abstract |
現在日本の各自治体において、スポーツタレント発掘・育成(以下TID)事業が実施されている。本研究では各事業のシステムを調査し、その評価選考方法や育成プログラムについて比較することを目的とする。今回は、福岡県における種目選択方法(パスウェイ)について報告する。 福岡県で実施されているTID事業を修了した、高校1~3年生を対象にアンケート調査を行った。調査は郵送法を用い、全修了生72名に記入を依頼した。回収率は91.7%であった。 調査内容の概要は、種目転向の有無、種目転向に対する当初の考え、種目転向をした(しなかった)理由、種目決定にあたり重要であった育成プログラム、種目決定にあたり重要であった人物、種目決定にあたり重要となった情報、等であった。各群における認識の差異はカイ二乗検定を用いて分析した。 種目転向をした群としなかった群において、"種目転向に対する当初の考え(積極的であったか消極的であったか)"に差異は見られず、どちらの認識でもパスウェイプログラムを経て種目転向する(あるいはしない)可能性があることが示唆された。また両群間で"各育成プログラムの満足度"に差異はみられなかった。種目転向をした群はしなかった群に比べ、"身体能力評価表の情報"や"自己分析"を重要視せず(p<0.05)、その一方で"競技人口情報"(p<0.01)や"競技団体からの評価"を重要視する傾向にあった。これは、現在の自己の情報よりも、競技環境や外部評価が種目転向の意思決定に影響を及ぼしているものと考えられる。これは、種目転向をしなかった群が"競技団体コーチ"からの影響を受けていなかった(p<0.05)ことからもうかがえる。
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Research Products
(1 results)