2009 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動による哺乳類生体リズムの再同調促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
21700650
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山仲 勇二郎 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任助教 (20528343)
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Keywords | 生体リズム / 時計遺伝子 / 生物時計 / 身体運動 / 時差ボケ / マウス |
Research Abstract |
近年,生物発光レポーターマウスの組織培養系が確立されたことで,生物時計中枢である視交叉上核(中枢時計)だけでなく肝臓、肺、骨格筋など多くの末梢臓器にも時計遺伝子発現とリズム振動がみられることが明らかとなった(末梢時計).時差飛行のように明暗周期を大きく位相シフトさせた際に,末梢臓器の時計遺伝子発現リズムは視交叉上核に比べ再同調が遅延することが報告されており,時差ボケ症状の背後には中枢時計と末梢時計間の脱同調が関わっていることが予測されている.本研究では明暗周期位相シフト後の生体リズム再同調を促進する手段として身体運動に着目し,その可能性とメカニズムを検証することが目的である.平成21年度は,時計遺伝子の1つであるmPerlのプロモーター領域にホタルルシフェラーゼ遺伝子を導入した生物発光レポーターマウス(Perl-luc.マウス)を使用し,明暗周期を8時間位相前進させた際に,位相シフトした暗期開始から3時間,または明期開始までの3時間,回転輪運動を伴う新奇環境に暴露し,新奇環境を負荷するタイミングにより自発活動リズム,視交叉上核、末梢臓器の時計遺伝子発現リズムの再同調速度にちがいがみられるかを検討した.マウスは位相シフトした明暗周期で3サイクル,4回新奇環境へ暴露された後視交叉上核,肝臓,肺,骨格筋を採取しPerl-lucリズムを計測した.自発活動リズムを測定する際には3サイクル後に恒常暗へ移行した直後の行動開始位相から再同調を評価した.その結果,暗期開始から3時間回転輪運動を伴う新奇環境へ暴露すると自発活動リズム,末梢時計の再同調が早期に完了したが,明期開始までの3時間新奇環境へ暴露した群では再同調は完了せず移行期にあった.視交叉上核のPerl-lucリズムは新奇環境暴露のタイミングに関わらず再同調を完了することが分かった.
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Research Products
(9 results)