2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋形成時におけるリン酸化HSP27の発現および機能の解析
Project/Area Number |
21700656
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 史倫 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90346156)
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Keywords | ラットヒラメ筋 / 27kDa heat shock protein / リン酸化 / 筋損傷 / 筋形成 / myogenesis |
Research Abstract |
HSP27はsmall HSP familyのひとつであり、他のHSP分子と同様に分子シャペロンとしての役割が一般的には知られている一方、他のHSP分子とは異なり細胞ストレス等の刺激を受けリン酸化されることも報告されている。しかしながら、リン酸化の機序やリン酸化HSP27の機能に関しては未だ不明な点が多い。そこで、リン酸化HSP27が「細胞内で何が起こっている時期に強発現するのか?」、「どのような役割を果たしてしるのか?」を追求することを目的として本研究を実施した。 成熟ラットのヒラメ筋に0.03%カルジオトキシンを100μL注入し、7日後にサンプリングを行った。摘出筋は液体窒素で冷却したイソペンタン中で凍結した後、-20℃のコールドトーム内で凍結横断切片を作成し、Pax7、myogenin、デスミンまたはジストロフィンとSer15がリン酸化されたHSP27(p-Ser15)との2重免疫組織化学染色を行った。その結果、筋損傷からの再生中に出現するp-Ser15強発現細胞はPax7陰性、myogenin陽性、デスミン陽性であった。また、成熟筋線維では、ジストロフィンは筋細胞膜に局在するが、p-Ser15強発現細胞ではこのような局在化が認められなかった。しかしながら、p-Ser15陽性であるがサイズが大きく中心核を保有する筋線維では、ジストロフィンの筋細胞膜への局在が認められた。したがって、p-Ser15は筋線維形成中において筋管から筋線維へ最終分化する段階で強発現していることが判明した。
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